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《ETAJIMA Fan Info》
大柿町大原にあるコンビニエンスヤマノイ。この地に店を構えて40数年。高齢者を中心に地元に愛されている。
店はご夫婦で営業。食料品や日用品の他に衣料品も揃える。高齢のご婦人向け衣料品が近くに無く、奥さんが仕入れている。店に来られる方に合わせ、サイズの希望や、派手なのは置かないなどの制約もあるそう。
お店自慢の鮮魚は、月・火・木曜日に市外から、ご主人が魚介類を仕入れる。その日のうちに新鮮な地物が、切り身、冷凍、骨なしフライ用など豊富な品揃えで並ぶ。刺身がいつもより安いサービスデーもあり、こまめにチェックがおすすめ。
昔は個人の鮮魚店も多かった大柿町。高齢化が進み、食生活の変化、大型量販店の台頭などで、古くからの鮮魚店は激減した。お手頃価格で鮮度のいい魚が買える店は、貴重な存在となっている。
輸入ものが多いなか、地物芝エビが入るとは嬉しい限り。
主力の魚を中心に、野菜や日用品なども揃う。時期によっては安浦産の小芋のように、旬の野菜も入荷する。
2週間に1回、大柿町の大原地区で折り込み広告が入る。魚のほかにドリンクなどの特売情報もあるので見逃せない。(チラシは6月撮影分)
ご主人に、昭和の時代から今の令和までの様子を伺った。
神戸市出身のご主人は、父の帰郷を機に大柿町へ。高校、大学の学生時代は島外で学んだ。
勤め人の父が跡取りで帰郷後、60年代に店を始めた。その後、他業種を経て、ご主人が80年代に店を継ぎ、今の場所で営業を続けている。
地元の鮮魚店が減り、仕入れ先の市場に行けば、漁師の高齢化による漁獲量の減少も耳にする。
店を利用する方は地元の高齢者が中心で、取り置きや配達も多い。
そのため、高齢の利用者で定期的に来られる方は、見守りの代わりにもなっているとご主人は話す。
いつもの時間になって来られない様子から「何かあったのでは?」と思い、人づてに連絡するケースもあった。
また、市外から一人暮らしの高齢者を介護するのに、家が狭くて寝泊まりできず、家賃だけ払ってアパートに住む人もいるという。
店舗後方は現在コインランドリーとなっているが、以前は2階にレンタルビデオ店があった。「太郎と花子」の名前はレンタルビデオ店から続いている。
ちなみにご主人が好きな映画作品は「ひまわり」。中学、高校時代中心に年間で5、60本も映画を見ていたほどの映画通だった。
ストアをご主人が継いだ5年後頃にレンタルビデオ店を開始。営業は20数年ほど続いた。
営業当初は日本の任侠ものや、金曜日の妻などのトレンディドラマのビデオが好調だった。
島内沿岸部には能美町鹿川など石油タンクがあり、昔は関西から日数をかけてタンカーで運ぶ人たちからも利用があったと話す。
ビデオからDVDに変わった後には韓国ドラマも流行り、利用者のテレビシリーズの要望から店でも揃えた。中には50巻ほど続くタイトルがあり、元が取りにくかったという。
やがてネット映画などの普及にともない、レンタル利用者が減少。レンタルビデオ店は10数年前に閉店した。
レンタルビデオ「太郎と花子」と言えば、今でも覚えてくれる人がいる。
当初は、2階で店舗を開くことに心配する人もおられたそう。
しかし実際に営業してみると、2階にある店舗が島内には無く、見晴らしのよさからも好評だった。
営業の常識で考えると2階店舗は儲けが生み出しにくいが、やって考えるという時代でもあり、面白かったとご主人は当時を振り返る。
古いお客さんといろんなところで会うときに「レンタルビデオ店に行ってました」という話が出る。
しかしレンタル店が終わった時点から既に縁が切れた人は、覚えてない人も多く、声をかけられても申しわけないそうだ。
あの頃はご主人も若く、20年くらい経っていると、特に女性の方は大きく変わるので記憶が一致しないと苦笑する。「すぐわかりませんね、ごめんなさい」って。
また、市外へ出て長いと方言も消え、本人が広い世間と関わるうちに言葉も変わってくる。戻ってきた方にはそういう人が多いとご主人は語る。
江田島市や隣の呉市で、シタビラメの一種の方言「でんちょう」。唐揚げでこの価格で食べられるのはヤマノイならでは。
江田島市へ帰郷の際は、懐かしい話を咲かせに、訪れてみてはどうでしょうか。
(取材:2024年6、8月・記事作成:9月)
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【店舗情報】
コンビニエンスヤマノイ
住所:〒737-2213 江田島市大柿町大原1281
営業時間:午前8時~午後7時
店休日:土・日曜日、年末年始、お盆3日間程度(カレンダーで前後の場合有)