▼ニュース・イベント・お店・特産品
《ETAJIMA Fan Info》
江田島町鷲部の長田製菓舗。古鷹旅情や安芸の詩など,江田島でおなじみの菓子を作り続けている。自家製あんが好評だ。
店主は3代目の長田朋幸さん。初代の祖父は大柿町出身で,戦後,中国にいる親戚のところで菓子づくりの修行を積んだ。その後,いまの大柿町大原で創業した。昭和38年頃に,鷲部の現在の店舗となる。祖父と父で店をやっていたが,2代目の父に代わったのは平成15年頃だ。
朋幸さんは,高校生の頃から菓子作りを手伝っていた。市外にサラリーマンとして勤めてからも,休みの日などの合間で家業を助けていた。しかし2代目の父が他界し,急きょ朋幸さんが3代目として後を継いだ。平成28年のことだ。「いままで家族で分担していたのが,今度は自分と母のふたりで菓子作りを続けていく,そこがしんどかったですね」と当時を振り返る。
祖父と父の時代から続く,江田島しぐれ,栗の味,古鷹旅情,安芸の詩は,江田島みやげの定番として広く知られている。「江田島しぐれ」は,薄皮にぱんぱんに詰まった抹茶あんと,栗入り白あん。
「栗の味」は,こしあんで栗を楽しめる。
「安芸の詩」は,第2回えたじまブランド認定品に選ばれた。栗,梅,桃の3種類(梅は紺と赤の色違い包装)。桃は朋幸さんが新しくラインナップに加えた。それぞれ栗,梅の甘露煮,桃のシロップ漬けを黄身あんで包み,上品な甘さが,ひとつ,またひとつと食べたくなる。
満月のような色と形は,見た目にもかわいらしい。
(※下の写真は栗)
この2点も朋幸さんが始めた。右の「やきいもさん」は,てくてくのさつまいも本舗(峰商事合同会社)とのコラボ商品。さつまいもペーストから作ったいもあんを入れた,焼きまんじゅう。
左の「チョコくるみ饅頭」は,上にワンポイントのくるみ。中を割ると,
薄皮に包まれた,たっぷりのチョコあんには粒々のくるみ。ショコラケーキのような濃厚な味わいの逸品だ。
また,2代目の父の頃からあったカステラを定番メニューとして加えた。大人数で食べたいボリュームたっぷりの大サイズから,気軽に買って楽しめるカットサイズまで,懐にやさしい品揃えだ。
カステラは,あんずと木苺の2種類。卵がきいたしっとり生地に,ジャムがとろりと中からしみ出る,あんずカステラ。
ココア生地の木苺は,食べた瞬間にふわりと広がる風味が良く,どちらも甲乙つけがたい。
(下の写真は木苺カステラ・サイズ小のカット例)
ベストセラーの「古鷹旅情」は,さくっと香ばしく甘いブッセで,ほどよいブルーベリージャムの酸味が特徴だ。
ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」(通称「艦これ」)に登場する人気キャラクター「古鷹」つながりで,平成26年,江田島海友舎で行われた艦これ同人誌即売会イベントにて,限定パッケージ版の古鷹旅情が販売され,好評を博した。
(イベントまとめ記事リンク:https://togetter.com/li/687112?page=2)
3代目を継いだ朋幸さんは,新作への挑戦も意欲的だ。わずか3年の間で,安芸の詩の桃味,やきいもさん,チョコくるみ饅頭,水まんじゅうをデビューさせた。
水まんじゅうの販売は今年の5月から始めた。
5月~6月のおすすめは,いちごを使った水まんじゅう。
いちご入り水まんじゅうは,沖美ベジタ(https://okimivegeta.com/)とのコラボ商品で,いちごが丸ごと入っている。新鮮な甘酸っぱさと,水まんじゅうのやさしい甘さがよく合う。
ストロベリーは,いちごあんを使った,より和風の味わいを楽しめる。
いずれも期間限定で,5月~6月いっぱいまで販売の予定。
水まんじゅうは,こしあん,抹茶の定番のほかにも,マンゴーも作られている。
マンゴー味は,口の中に南国の風が広がるような爽やかさ。これからの暑い季節にぴったりだ。
(写真左上:ストロベリー,右上:マンゴー,左下:こしあん,右下:抹茶)
沖美ベジタ,てくてくのさつまいも本舗と,江田島の他店コラボによって,次々と新しい味が生み出されている。
いちごやさつまいもをはじめ,良質でおいしい素材が手に入る,自然に恵まれた江田島ならではの菓子作りだ。
お客さんは,古くから店を知る常連さんのほかにも,外にある「あんずカステラ」などの幟をみて,店を訪れる方もおられると聞く。祖父と父から受け継ぐ味と,3代目となった朋幸さんが手がける新製品の登場に,これからも目が離せない。
「時代に合ったもの,地元の素材を使ったものをこれからも作っていきたいですね。江田島にお越しの際には,気軽に寄っていってください」と朋幸さんは語る。
【店舗情報】長田製菓舗
住所:〒737-2133 江田島市江田島町鷲部1丁目15−16
電話番号:(0823)42-0174
営業時間: 9:00~17:00
定休日:火曜日
アクセス:江田島バス「江田島図書館前」バス停から徒歩約2分
駐車場:店舗右隣の空き地に普通車で6台程度可
広島えたじまブランドホームページ:https://etajima-brand.com/
県道44号江田島大柿線を,呉側から小用方面へ進み,江田島図書館前バス停から徒歩2分程度。黄色いひさしが目印。
店の手前に立っている幟が,その日にショーケースに並んでいる菓子を示している。
水まんじゅうは材料の仕入れにより品揃えが変わるので,気になる味があれば事前に電話で問い合わせてほしいとのこと。
駐車場は,幟が立っている空き地に,普通車で6台は停められる。
(2019年5月取材)