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《ETAJIMA Fan Info》
今年3月,江田島市公式Youtubeチャンネルに,三高中学校3年生制作の「江田島市地域活性化プロモーション動画」が公開されました。
これは,三高中学校3年生の「総合的な学習の時間」で,江田島市の活性化について観光客や移住者を増やすなど多くの選択肢を皆で検討し,生徒自身が発案から実現まで可能な方法として,制作されたものです。
プロモーション動画は,その土地の魅力を伝えるものであり,本来なら解説の必要はないかもしれません。
しかしながら,この動画を見るうえで,知っていればさらに楽しめる,見方が変わる,そんな素晴らしさを誰もが共有できればと今回,江田島ファンネットで取り上げた次第です。
※記事作成にあたっては,
・動画出演の3年生担任を務められた岩城(いわしろ)先生(現在は三高中から能美中に異動)
・副担任の藤山(ふじやま)先生
・岩城先生,藤山先生と共に動画制作に携わられた,沼野(ぬまの)先生
・元・江田島市地域おこし協力隊でオリーブ栽培技術指導員の小山内(おさない)さん(現在は江田島市農林水産課に勤務)
以上,4名の方から,お話を伺うことができました。取材へのご協力,有難うございました。
それでは,プロモーション動画を見てみましょう。
江田島市公式Youtube 内動画
冒頭の場面は,フェリーに乗ったマント姿の5人が,三高港に降り立つところから始まります。
岩城先生は3年間,持ちあがりでこのクラスを担任されました。
学級通信の名前は「HERO(ヒーロー)」。そして,HEROはクラスの年間目標でもあり,この動画においても,江田島を何とかしたい,救いたいというイメージから,マントをつけたこの衣装が撮影に用いられました。
マントに配したこのマークは,三高中学校ホームページの見出しアイコンにも登場。修学旅行の報告ページでは「三高ンパニー(みたかんぱにー)」と紹介されています。
「修学旅行2019」のページ
三高中学校では,「総合的な学習の時間」の一環として,2017年の修学旅行から,東京・銀座の“ひろしまブランドショップTAU“で,三高のカキ販売や江田島市のPR活動を行っています。販売に先駆けて,生徒の皆さんは生産者から養殖方法やカキ打ち体験も学び,カキの仕入れや会計などを生徒自らが行う模擬株式会社「三高ンパニー」を運営します。
三高ンパニーのシンボルマークが出来たのは2018年。2年生(当時)の生徒によるデザインで,このプロモーション動画にも出演しています。ふたつ組み合わせたカキを中央に据え,青は海,緑は山を表現したものです。シンボルマークからは,豊かな自然に恵まれた地で,おいしいカキが育つイメージが伝わります。
そして,このときに見えている三高港とその周辺は,江田島市の三高地区整備事業のため,現在工事が行われています。新ターミナルは2020年8月8日,交流プラザは同月11日から供用開始予定。プロモーション動画の光景は,昭和51年の供用開始から40年以上,島の人々の生活を支えてきた歴史ある港の姿を,記録したものとなりました。
動画は,三高港を後にして,江田島市内各所へと場面が移ります。
リゾート感あふれる海辺でのブランコ!沖美町といえばやはりここは外せない,旧がんねムーンビーチです。
最近では,瀬戸内シーラインのインスタグラムアカウント(@setouchisealine)でも,写真映えする場所として紹介されているので,ご覧になった方もいらっしゃるでしょう。
がんねへ至る市道美能21号線は,平成30年7月豪雨の被害により,2020年4月中旬から翌年3月末まで工事中。今回の動画は,幸いにも撮影可能な時期に行えた,貴重な映像となりました。
次は能美町中町の,トトウガ鼻と船霊(ふなだま)社。潮が満ちていると2つの島のように見えますが,
動画では,徒歩で行ける干潮の時間帯を撮影しています。
このトトウガ鼻の岬は,太平洋戦争末期に軍艦「利根」が攻撃を受けたときに,現在のような形に変わったと言われています。(「広報えたじま第23号」 より)
船霊社は,海の民が航海安全祈願の船の神様を祭ったものです。遠目にも鳥居の鮮やかな赤が目立つのですが,これは2018年12月,江田島カヌークラブのメンバーが神社の関係者の方と調整を行い,鳥居の塗装補修がなされたものです。
(関連記事:「江田島カヌークラブ」ホームページ記事「ボランティア:船霊社鳥居の塗装補修」)
日常の見慣れた光景もこのように,地元の人々の貢献によって守られています。
海に道が現れ,陸続きになるトンボロ現象がみられる,地域活性化プロモーションにふさわしい絶景です。
同じ能美町中町には海だけでなく,山で楽しむ,真道山森林公園キャンプ場があります。
真道山中腹谷間を開いて1992年に完成したこの施設は,テントサイト,オートキャンプサイトにコテージ,1000人収容の野外ステージも有する,江田島市のアウトドア・アクティビティを代表するスポットです。日々の喧騒から離れて過ごすには「山に入って森林浴」は,最適解と言えましょう。
さて,このプロモーション動画の見せ場の1つめが,次からの一連のシーンです。皆さんは,初見でお気づきになられたでしょうか?
トトウガ鼻での構図に似て,不思議な既視感を覚えるのですが,こちらは大柿町深江にある,標高11mの広島一低い山・茶臼(ちゃうす)山。干潮のときに行ける島です。環境学習の場として,ここ釣附海岸は広く知られ,同じ深江にある,さとうみ科学館では,自然観察会がこの海岸でも実施されています。
ひとつの市内で,トンボロ現象にまた出会えるとは驚くべきことなのですが,日常のなかで暮らしていると見逃してしまう名所であることに気づかされます。
茶臼山を,頂上を目指して進み,ジャンプ!
茶臼山でジャンプして,着地したこの岩場は,よく見ると同じ地点ではなくなっています。
日本一低かった茶臼山にいたはずですが,上からながめる景観が変わり,一種のアハ体験となっています。
真道山森林公園から茶臼山へ移動中,遅れていたメンバーのひとりが,先に天狗岩を制覇しているという,天狗にちなんだ粋な演出も見どころです。
大柿町大君にある天狗岩は2019年,ノンアルコール飲料「オールフリー」のCMで,知名度が急上昇しました。
天狗の次は鬼のいる場所へ。後編に続きます!